Tokushima&Kagawa 2/5 ~ うみがめ荘

<<<前回の投稿『Tokushima&Kagawa 1/5 ~ 徳島ラーメンとIT化が進んでいるらしい神山町、そして雨乞の滝。』はこちら

徳島市内で徳島ラーメンを食べ終え、アプリをチェックしながら慌てて予約した宿は『うみがめ荘(公式サイト)』。村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』の舞台となった「いるかホテル」を思い出さずにはいられない名前だが、国民宿舎として誕生した『うみがめ荘』の佇まいは「ドルフィンホテル」に生まれ変わる前の「いるかホテル」に近そうだ。

神山町からレンタカーで交通量の少ない一般道を快適に走りながら(文字通り)野を越え山を越え、目の前に海が開けたところが『うみがめ荘』のすぐ近くだった。

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駐車場にクルマを停めて伸びをしながら降りると、「ドーン、ドーン」と一定の間隔を開けて重低音が鳴り響いていた。どうやら宿の目の前にある浜辺から音が聞こえるようだ。

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チェックインをする前にカメラを担いで浜辺に歩いて行く。

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誰もいない海。二人の愛を確かめ・・・もう懐メロなんだろうな、これは。
エメラルドグリーンの海と曇り空のコントラストが異界の入り口のようだ。

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音の正体はやはり波だった。低気圧が近づいている訳ではないのに波が高い。瀬戸内海でも大阪湾でもなく、ここは太平洋なんだなと実感する。
波の表情が面白くて夢中になって写真を撮り続けたが、100回に1回ぐらいはどデカい波が襲ってきそうな気がしてあまり近づけなかった。こんなことでは良い写真は撮れませんな。
この写真はDP2Merrillで。

ひとしきり波の写真を撮って楽しんでからクルマに戻ると・・・

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ウミガメがいた。『うみがめ荘』が駐車場の一角で飼育しているようだ。えぇっ?

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『うみがめ荘』に一歩入るとそこは亀カメワンダーランド。

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物販も亀だらけ。ウサギ派の僕はなんだか肩身が狭い。

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館内にはこんな注意書きが。部屋でググったところ、どうやらこの浜はウミガメの産卵で有名らしい。夜の外出ができないだけでなく、部屋にはウミガメの時間感覚が狂うからとカーテンも開けてはならぬとの警告もあった。
ここは人間の行動よりウミガメの生態が優先されているようだ。良いことだと思う。

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部屋のキーがなんとも旅情をそそる。

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学校のような共用部分。我々の部屋「真珠」はこの先にあった。

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今夜の部屋。旅情を煮詰めてワインセラーに40年ほど放置しておいたような雰囲気に満ちている。訳ありカップルはこういう部屋の方がますます燃え上がるのでしょうか。何かが。

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部屋でくつろぐ間もなく晩ごはん。太平洋に面した宿なので新鮮な海産物を期待したけど、いかにも作り置きという風情の定食。それも仕方あるまい、朝夕食が付いて大人二人で宿泊費が15,800円なんだから。イザとなれば車中泊も覚悟していたことを考えると贅沢は言えない。

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オプションでハマグリを追加。これはとても旨かった。手前に写っているのは阿南の地酒。
この日は朝の4時台に起きて東京を発ったこともあり、晩飯とともにビールと日本酒を飲んだらぐらぐらと眠気に襲われ、22時には床に就いた。もし浜辺でウミガメが産卵の準備をしていたとしても、邪魔をすることはないので気兼ねなく産んでください。

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平べったい布団でぐっすりと眠り、朝の5時過ぎに目覚めた。
共用部分の窓にはプチプチ断熱システムが。

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朝イチで大浴場の風呂に入って、7時の眩しい陽光を浴びながら朝食。皆さん早起きだ。

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一夜明けて青が眩しくなった波を、出発前に撮りまくった。波の写真なんて誰も見たくないんだろうけど、つい撮っちゃうんだよねぇ。

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上の2枚の写真はDP2Merrill。

『うみがめ荘』は、設備は古いしホスピタリティは素朴でご飯も特筆することはなくて、普通なら二度と来ないだろうなぁというスペックですけども、なぜか雰囲気というか過ごした気分は悪くなかったんですよね。この感覚は神山町でもこの後に行った香川でも淡路島でも感じたんだけど、これが滞在時の天気のせいか、現地の人々が持つ気質(が自分に伝播したもの)のせいかはわからない。旅が好きなのでそこそこ色んな所に出没しているとは思うけど、そんな風に感じることができる土地ってあんまり無いので、僕と四国との相性が良いのかもしれない。コレばかりは何度も訪れないとわからないので、当座は難しく考えないで素直に感覚を受け入れていこう。


さて、『うみがめ荘』を後にして丸亀を目指す。
朝食を食べ終えたばかりだけど、丸亀に着いた頃には小腹が減っているのではないかと讃岐うどんに期待しつつ。


>>>『Tokushima&Kagawa 3/5 ~ 讃岐うどんと金比羅さん』へつづく